OB訪問に伴うセクハラ問題が話題になった2019年から早くも4年。
2020年からは某ウイルスの蔓延に伴いリアルでのOB/OG訪問は減少しましたが、2023年からは本格的にリアルでのOB/OG訪問が戻ってくるのではないかと考えられます。
今回は、過去のOB訪問に伴うセクハラ、わいせつ問題に関する記事をまとめることで、過去にこんな問題があったのかということを皆さんに知っていただきたいと考えております。
主に、2019年〜2020年に起こった大林組、住友商事、リクルートコミュニケーションズに所属していた社員による事件をまとめたものです。
2023年9月4日には、東京地裁で元リクルート関連会社の社員であった丸田憲司朗被告に対して懲役25年が言い渡されました。(参考記事)
就活のハラスメントに困っている方は「ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)」に相談しましょう。
OB訪問に伴うセクハラ問題
OB訪問の女子大学生にわいせつ容疑 大林組の社員逮捕 – 2019年2月
大林組の27歳(当時)社員がOB訪問の女子大生に対して強制わいせつの疑いで逮捕された事件。
VISITS OBというアプリを通じて知り合い自宅マンションに連れ込んでわいせつな行為をした疑いがあり、女子大学生が警視庁に相談し被害が発覚。
2019年2月にビジネスインサイダーが報じた記事
その後もBさんのトラウマの内容を詳しく聞き出し、「男と付き合ったことあるの?」「俺の手、握れる?」「肩触っていい?」など、まるで男性経験の有無が大事かとでも言うような、セクハラとしか捉えられない発言が続いた。
被害にあったときの状況(複数回答可)として最も多かったのは「OB訪問」の67人。次いで「面接中」46人、「インターンシップ」39人。「合同説明会」と回答した人も6人いた。
具体的なハラスメントの内容としては、「パートナーの有無を聞かれた」「胸を触る・キスをされるなどの身体的な接触を受けた」「セックスを強要された」という人が多かった。また、被害にあったほとんどの人がその企業の選考や内定を辞退していた。
大林組社員が「就活セクハラ」で逮捕。激変する採用戦線に対応できない企業の行き着く先
住商元社員、OB訪問で泥酔強要か 準強制わいせつ容疑 – 2019年3月
住友商事の24歳社員(当時)がOB訪問の女子大生に対して準強制性交、強制わいせつの疑いで逮捕された事件。
就職活動でOB訪問を受けた女子大学生を泥酔させて宿泊先に侵入して性的暴行を加えたとして、警視庁は26日、大手商社住友商事(東京都千代田区)元社員の三好琢也容疑者(24)=東京都北区滝野川6丁目=を準強制性交と窃盗などの疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。
就職活動でOB訪問を受けた女子大学生への準強制性交容疑などで逮捕された大手商社住友商事(東京都千代田区)元社員の三好琢也容疑者(24)=東京都北区滝野川6丁目=について、警視庁は16日、同じ学生への準強制わいせつの疑いで再逮捕したと発表した。容疑を認めているという。
妻出産の10日前に就活生をレイプ 元住友商事・三好被告の大罪
「OB訪問アプリ」で就活女子大生をホテルに誘い出し……リクルートグループ社員30歳の“卑劣すぎる手口” – 2020年12月
リクルートコミュニケーションズの30歳社員(当時)が「OBトーク」というOB訪問アプリで知り合った女子大生をホテルに連れ込み、アルコールの中に睡眠作用がある薬物を混ぜて飲ませ、心神喪失状態にした上で、性的暴行を加え写真や動画まで撮影した事件。
12月3日、警視庁に準強制性交等の容疑で逮捕されたのは「リクルートコミュニケーションズ」社員の丸田憲司朗容疑者(30)。
最近もOB・OG訪問アプリを悪用した事件がニュースとなった。今月3日、株式会社リクルートコミュニケーションズの社員が、7月にOB・OG訪問アプリ「Matcher」(マッチャー)で会った女子大生に睡眠薬を飲ませ、暴行を働いた疑いで再逮捕された(同社員は今年6月、30代女性に睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えたとして逮捕されていた)。複数の就活生が同様の手口で性被害に遭ったと報じられている。
2023年5月15日の公判では10名の被害者のうち7名が意見陳述した。被害者秘匿の観点から、法廷では被害者たちの氏名は伏せられ、アルファベットで呼ばれている。彼女たちの陳述で明かされたのは、周りの人を悲しませたくないといった気持ちなどから、被害を家族や友人知人に明かしていない被害者が複数いたことだった。
就職活動中の女子大学生らに睡眠作用のある薬を飲ませて乱暴した罪などに問われている被告に対し、東京地裁は懲役25年の判決を言い渡しました。
逮捕後、丸田の自宅からは、10種類の睡眠薬が合計700錠も発見された。さらにスマートフォンなどからはおおよそ40人の被害者とみられる女性の写真が見つかっている。眠らせて犯行に及んだ際に、動画や静止画を撮影したのだ。
【参考】三菱UFJ元行員懲役22年 睡眠薬物飲ませ暴行 – 2020年12月
20代女性ら10人に睡眠作用がある薬物を飲ませて暴行したとして、準強制性交などの罪に問われた三菱UFJ銀行の元行員、千秋凉祐被告(29)に、東京地裁は21日、懲役22年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。
就活でセクハラ、性被害にあった場合には
就活でセクハラ、性被害にあった場合には大学、会社、警察、ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)など様々な相談先があります。
まずは最も身近に相談できる人、機関に相談してみましょう。
大学側の対応も
【東京大学】2024年度本学卒業・修了予定者(2025年3月卒業・修了予定者)の就職・採用活動について(要請) – 2023年10月
東京大学は2023年10月に「2024年度本学卒業・修了予定者(2025年3月卒業・修了予定者)の就職・採用活動について(要請)」という文章を企業向けに発表しました。
この文章の中では、就職・採用活動の開始時期や学生の学業への配慮、多様な選考機会、)雇用の機会均等、職業の選択の自由を妨げる行為等の抑制、公平・公正な採用の徹底などに関する点について触れています。
その中で、「性的な行動等により、学生に不快な思いを与えたり人権を侵害するような行為を行わないこと」を求めています。
4)雇用の機会均等、職業の選択の自由を妨げる行為等の抑制、公平・公正な採用の徹
底〜中略〜
学生の職業の選択の自由を妨げる行為や、学生の意思に反して就職活動の
終了を強要するようなハラスメント的な行為は厳に慎んでください。加えて、採用選考活動に携わる人事担当者等が、就職をしたいという学生の弱み
に付け込んで、性的な言動等により、学生に不快な思いを与えたり、人権を侵害す
るような行為を行うことがないよう、当該人事担当者等への適切な事前指導・教育
を行ってください。
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